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黒兎の落書き帳

行ったところ、読んだ本、考えたことなどについて、書きたいと思ったときに書きます。というとやる気がないようですが(事実、あまりやる気がありませんが)、自分が本当に動かされたことだけを書こうと思うので。2009年6月21日設置。
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うさみみ兜

天地人展@サントリー美術館に行ってきました。

歴史は苦手意識があったのですが、最近ひょんなきっかけで戦国時代に興味を持つようになりました。
妻夫木くんファンだから、というわけではないです。どちらかというと北村一輝さん(上杉景勝役)か玉山鉄二さん(景虎役)の方が…というのはどうでもいいですが。(実は大河ドラマは見ていません。これから見ようかな。)


鎧兜などの武具から、肖像画、書状、茶道具、能の衣装・面、書物など当時を垣間見ることのできるような展示でした。
茶道具は、直江兼続が催した茶会を想定した展示だそうで、茶道をやっていればさらに感激するのだろうけど、そうでなくても嬉しい。

書状は、何と書いてあるのか読めないし、いい字なのかどうかということも分からないのですが、見ているとその人の人柄を感じられるような気がして楽しかったです。見当違いかもしれないけれど、以下のような感想を持ちました。

景虎さんの字は、くっきりと力強く、それでいて端整で、「絶対この人かっこいい人だったよ!」と思いました。(←実際、かっこいい人だったらしい。)兼続さんの字は、流れ方にきれがあって涼しげで、おそろしく有能で人柄も優れているのだろうなあ、という感じ。でも、晩年の字は、もっと包み込むようなやわらかみと奥深さがあるような気がした。景勝さんの字は、よく分からない。底知れなくて、妙な吸引力がある感じかもしれない。下手にからかったりしてはいけないような気がする。そして、謙信さんの字は、とにかくきれいでした。


数百年前の物がきれいな形で残っているというのはすごいと思う一方で、現在ある・作られているものというのは、どのぐらい残るのだろうか、とふと思いました。残るものはあるんだろうか、と。
全ての出来事―現実に起こったことも、人が考えたり感じたりしたことも―は、それぞれの土地や地球の記憶として残っているのではないかという考えがいつの間にか私の中に生れて、他の人に主張するつもりはないのだけど、自分にとっては想像的真実とでもいうべきものになっている。だから、必ずしも物という形で残らなくてもいいのだけど、何だか寂しい。
実際の物を通して感じられることはかなり多いと思うし、「記憶」も、そこに凝縮したりしているんじゃないかな。


他に面白かったのは、戦国時代のおにぎり(?)。城が焼けた時に炭化したために、現代まで残ったらしい。保存期間長すぎです!


そうだ、タイトルの話ですが、色々とインターネットで調べていたら、兎耳の兜を発見してしまったのです。兎耳形兜(うさぎみみなりかぶと)というらしい。

兎耳形兜を身に付けた人として有名なのは、明智光秀の従兄弟の明智光春だそうです。(何か、光春さんは秀光さんと言う人とかとも混同されているらしく、もしかしてそちらの人のかも?でも、同一人物説もあるらしい。)彼の兜は、黒い短めの耳が左右に付いていて(耳の中は赤)、真ん中に金色の輪のような三日月(?)がついているというもの。南蛮胴具足の兜らしい。東京国立博物館蔵だそうなので、そのうち見る機会もありそう? 光春さんは、「本能寺の変で先鋒となって京都の本能寺を襲撃。山崎の敗戦で光秀が討たれた事を知り、坂本城へ戻って自害したと伝えられている」(ウィキペディアから孫引き)という人ですが、その時、この兜をかぶっていたとしたら何だか楽しいです。そこまで可愛らしい感じのものでもないんですが。以下のサイトで画像を見られます。(他にもうさぎ耳の兜が載っています。)
http://homepage3.nifty.com/kaccyuu/setu3.html

豊臣秀吉が大津京極家に与えたと言われる黒漆塗兎耳形兜(靖国神社に奉納されているらしい)なんていうものもあります。こちらは、細くてすごく長い耳が付いてます。

実は、謙信さんもうさみみ兜を持っていました(らしいです)。「銀箔押兎耳形兜」といいます。耳型の黒い頭巾っぽい感じで、真ん中に銀色の三日月が付いています。小さい画像しか見られませんでしたが、造形として美しいと思いました。可愛らしくてちょっとおかしくもあるのですが。

戦国時代ではないのですが、土佐藩4代藩主の山内豊昌も、兎耳形兜を所有していたそうです。このかぶとの特徴は、垂れ耳であること。垂れ耳の兎耳形兜は珍しいらしいのですが、ということは、立っている耳の兜はそんなに珍しくないのでしょうか。
素早さとか、後ろにひかないこと、大きな耳で情報収集する、というような特徴にあやかるためや、月信仰との関係で作られたそうなんですが、当時の人は可愛いとは思わなかったのかな…。私が見た限り、色は黒とかなので、シックではありますが。
土佐山内家宝物資料館には、「やまぴょん」というキャラクターがいます。うさぎのキャラクターなんですが、山内豊昌とお揃いの兎耳形兜をかぶっているという…。うさぎが兎耳兜をかぶっても意味ないのでは?という疑問がありますが、けっこう可愛いです。近くに旅行する機会があれば寄ってみたいと思います。
http://www10.ocn.ne.jp/~yamauchi/05osirase/osirase_yamapyon.html


うさぎ耳以外にも、変な兜はたくさんあって、どうしてこんなものが作られたのかすごく不思議です。悪い意味ではなくて、未知の世界が見られそうな気がして、ちょっとドキドキします。
戦国時代辺りの陶器とかも、同じような意味で不思議なんですが。「歪み」とか、物質の存在感が強烈です。

「死」との対比の中での鮮烈さなんだろうか。たぶん、宗教的な感情も入っているんだろうな。そういう意匠の鎧兜は多そうだけど、単なる意匠(意味・記号)としてではなくて、それを生きている?

現代社会とは全く異なる感覚で生きられている世界がある。そういうものに触れたいというのが、今の私の切実な欲求の一つ。
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